小学校へ行かず、フリースクールへも行きたがらない子どもがいる。家にこもっているけど個性は豊か。この子の力を伸ばすにはどうしたらいい?そんな気持ちを軽くし、依選択肢をくれる本に出会いました。
すぐに他の方のレビューを読みたい方はこちら↓
目次
戻ってきたくなる本
この本のおすすめな点は、気持ちが軽くなる事です。だから読みやすいんです。同じように学校が合わない子どもを持つ親として、「簡単じゃないよね、がんばってるよね。我が家でもこんなことして、こんな失敗があったんだ。」「子どもってもさ、親が思ってるより色んな事考えてるんだよ。」「できることをできるようにやってる、それでいい。困ったらさ、いつでも相談に乗るから。一人じゃないよって覚えておいて。」そんなメッセージで一杯なんです。
自宅教育の難しさ:我が家の場合
我が家の次女ハナは自閉症スペクトラムの小学5年生です。学校に行かない選択をしてもうすぐ2年が経ちます
去年の特別支援学級に入級し、しばらくの間1日1時間通学しましたが再び家から出なくなりました。2年間ほとんど学校で履修する内容に触れていません。。
目下の日課はゲームです。「Minecraft(マインクラフト)」「「あつまれどうぶつの森」をNintendo Switchで、「Ash Tale(アッシュテイル」をタブレットで遊んだり、YouTubuで攻略動画を観たりしています。
今まで何度も漢字や計算の練習をしようと取り組んできました。それでも2,3日で挫折の繰り返しです。
出来ない事を自覚するのをとても嫌い、特に計算には向かいたがりません。そんな娘を励まし隣に付いているのには大変なエネルギーが必要です。
このままではどんどん読み書き計算に遅れが出てしまう、でも何をどうしたらいい?頭にぶら下げた毎日が過ぎていました。
図書館でお小遣いについての本を探していると「学校に行かずに家庭で学ぶホームスクールのはじめ方」という本のタイトルが目に飛び込んできました。
字は大きめで行間は広くさらっと読めそうです。
「ホームスクールは学校生活からの積極的離脱」
まず最初にこの言葉に惹きつけられました。
不登校は一般的に学校制度からの「脱落」、つまり「ドロップアウト」と捉えられがちですが、ホームスクールはそうではなく、学校制度からの「積極的離脱ーオプトアウト(※)」なのだと捉えることができます。
※ オプトアウト:活動から自らの意思を持って脱退する事(既存の決まり、あたりまえからの積極的な離脱)
「学校に行かずに家庭で学ぶホームスクールのはじめ方」より
そう、うちの娘は行かないという選択をしたんであって、学校へ行けなくなったのではない。素晴らしい子で脱落者ではない。そう思わせてくれる言葉です。
書いたのはお父さん
作者を確認せずに読んでいて、勝手に「お母さん」が書いたんだと思い込んでいました。ところが著者は「お父さん」です。びっくり、嬉しくなります。
孤軍奮闘する身として、特に得るものが多く、励まされたところがあります。学校(学校長)との面談、そして両祖父母からどう理解を得るかの過程でした。
これを読んでお母さん達だけでなくお父さん達も、自分たちにもできる事があると希望を持ってもらえたら良いな。
著者は佐々木 貴広さん。高校から海外留学され、その後英検の問題制作・開発や国際教育事業の開発担当をされています。
2016年からは「日本の教育の”あたりまえ”を変える」をスローガンに、学習サロン「ルミオハナ」をスタート。4児のお父さんです。

外枠は未完成でも中身を重視
ホームスクールは日本ではまだ認知度が低く、どんなに学習に励んでも投稿扱いにはしてもらえません。それでも学校制度と子どもの特性を生かした教育の間できる事があります。
どう考え、どういう行動するとより良い結果に結びつくか事例が挙げられていました。
実施方法は、学校との関り方の4パターン、ホームスクールの2スタイルを紹介しています。状況ごとに整理されていて、我が家ならこっちだなと目指す方向を見つけるヒントになるのでしょう。
学校と家族からどう理解を得るかが相手目線で清々しい
フルタイムで働いていた佐々木さんが、ホームスクールをする時間をどう作ったかも一読の価値がありますよ。協力を得るためには相手目線が大事ですね。
本人へのインタビュー
不登校もホームスクールも、本人の意思や気持ちが一番大事です。ですがホームスクールについて検索しても、ホームスクール教育を受けた(選んだ)子どもの側に感想を見つける事はできませんでした。それがこの本には載っています。
たった一人のインタビュー結果だけを見て、全てを知った気になるつもりはありません。それでも希望をもらった気分になりました。
まとめ
本の力を借りて今日新しい行動に出られました。ハナとゲーム「あつまれ どうぶつの森」を一緒にしたんです。私が飽きてもう半年したことがありませんでしたが、娘は一年以上コツコツ続けています。
ところが娘に膝の上で自慢の内装や島中を案内してもらっている間、なんと私は疲れでウトウト。気付いた娘は頭を撫でてくれました。やさしい子です
ずっと勉強の事でモヤモヤしてきましたが、「できること」からやってみようと思います。信じて対話して、少しずつでも10歳の娘が自分と向き合い、成長したと思える時間を持てるように。
家での子どもの過ごし方にモヤモヤしている方、一度読んでみてください。一緒に一歩一歩前進しましょう。